自室の話

 

 

 部屋の模様替えをした。結構ド派手に。

 

 

 具体的に言うと、本棚と机の位置を変えて、新しくベッドを置きました。齢20にして人生初ベッドです。

 それから、飾ってあるポスターなどをすべて一新しました。ついでにイケメンの生首うちわなども飾ったよ。

 

 十何年も住んでいた部屋なのに新しい木のにおいがして、入るたび家具屋にでも来ている感覚がする。でも床にある勉強机の日焼けの跡が、古い部屋の記憶を教えてくれる。

 

 

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4つ並んでいるのは最果タヒ展で買った「詩そのものカード」。そういう仕様ではないんだろうけど、触ると黒いインクのようなものが指につくのが生々しい気がして気に入っている。

 

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上にあるのは会場案内の裏にあった最果タヒの「好きだ」。わたしはこの人が紡ぐ叫ぶような言葉が好き。

 

 

 たくさん物を捨てた。

昔気に入っていて数えきれないほどローテーションした服に少し前までは大好きだったアニメのグッズ、話についていけなくなって途中で買うのをやめた漫画、小さい頃から世話になった大小さまざまなぬいぐるみたち。

 部屋とクローゼットを埋めつくしていたそれらがなくなると、まるではじめからそうであったかのようにすっきりとした部屋になった。

 今のわたしの部屋には、もう数年は着られる落ち着いたデザインの服にずっと変わらず大好きなアニメのグッズ、何回読み直しても飽きない本と心ときめくぬいぐるみたちしか残っていない。

 

 

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これも最果タヒ展で買った「モビールそのものブックマーク」。風が吹くと裏面が見える。

 

 

 母に、「やっと部屋らしくなった」と言われた。

では今までの十数年わたしが過ごしていたこの場所を一体何だと思っていたのだろうかと思ったが、言われてみれば確かにそうだと実感する。

 

 今のわたしの部屋は、人が帰ってくるのが当たり前のような、そういう面構えをしている。

 ベッドがあって、あたたかなぬいぐるみがあって、たくさんの愛しい本があって。壁にはいつ見ても恍惚とするほど好きなものが常に貼ってあって。

 

 言葉にするなら、部屋の持つ温度がわたしのためにあるような、そんな感覚だ。

以前からそうではあったんだろうが、前は寝たり授業を受けたりするためだけに部屋を使っていたし、ある程度まとめてはいたが床にも物がたくさん置いてあったから、ほとんど物置のようだった。

 それが、床のものを全部どけて、壁、机の上、普段は見えないクローゼットの中まで整理してみると、一気に部屋のようになった。そこに木でできたベッドが入って、いよいよ人が生活する部屋が完成した。

 そうしてわたしの部屋は、十年以上もの時を経て、ようやくひとつの完成形となったのであった。

 

 

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選抜ぬいぐるみの一部。左上のシロモを手に入れるのにかかった金額は5000円ほど。逆に2つのミッフィーは合計300円ほどで手に入った。機械の設定もあるだろうけど、クレーンゲームの手腕に波がありすぎる。

 

 

 今は部屋に向かうたび木のにおいを感じて、新しい気持ちになる。わたしはこのにおいが好きだ。

 ちなみに夏頃にはエアコンが入る予定だ。

 わたしの部屋は、どんどんわたしの世界のすべてになっていく。

 

 

 

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ちなみにエロ本は鍵つきの引き出しに隠したい派です。