クリームソーダ小旅行記
皆さん、クリームソーダはお好きですか。
わたしは大好きです。世界一美しい飲み物。
その中でも、純喫茶で出されるクリームソーダはまた格別です。店の雰囲気からもう美しい。
もはや古めかしいまである”昔”の記憶にあふれる店内で味わう、”ハイカラ”というにふさわしいクリームソーダ。小さな泡がしゅわしゅわ弾ける色鮮やかな炭酸に、優しくとろける味わいに刺すような冷たさのバニラアイスが乗っています。うーん、最高ですね。
実はクリームソーダはこのブログのアイコンにもしています。よく見るとちょっとアンバランスだね。
先日観劇で遠出した際に、どうせ行くならずっと行きたかった純喫茶クリームソーダ小旅行もしようと思って、早めに現地に入ってひとりで純喫茶を巡りました。
時間の都合などもあり4軒しか行けませんでしたが、その日は全食クリームソーダのとんでもなく幸せな日でした。
ちなみに舞台も凄かったです。観てからというもの精神に異常を来しております。
ザクロ味の赤いクリームソーダ。クリームソーダは緑だけではないのだ。
純喫茶というのは一見では何となく入りにくいイメージがあります。年齢が若いとなおさら。
実際わたしもいざ入るときは少し緊張しました。ひとりだったので誰もついていてはくれないし。
でも、ちょっとだけ勇気を出して扉を開けてみると、そこには思わず感嘆の息が漏れるほどノスタルジーな空間が広がっているのです。
見渡す限りの時計。右下にいる赤いのはデカめの金魚。
上とは違うお店の地下空間。居心地のいい独房かと思った。
「本や映画でみて憧れたあの喫茶店の中に自分がいる」。そう思うと感動しました。
それはまさに”非日常”でした。扉を開けただけで、わたしはうだつの上がらない日常から切り離されて、ただ”クリームソーダ”という宝を求めて旅をする旅人になっていました。
海を思わせるような美しい青に計90グラムの2つのバニラアイス。その量は一杯だけで余裕で一食に匹敵する。
アイスが溶けるとグラデーションが生まれてまた違う美しさが。
”純喫茶”という空間にいるのはとても楽しかったです。
二次元で焦がれ続けてきた内装を三次元として自分の目でしっかりと見て、美しいクリームソーダを視覚と味覚で味わって、少しマスターとおしゃべりしたりして。
あのときのわたしは無敵だった。
そう思わせてくれるぐらい、あのクリームソーダたちは素晴らしいものでした。
初めて黄色のクリームソーダを見た。このお店には他にも赤、青、緑、紫、オレンジのクリームソーダがある。ちなみにここは先程の地下空間があるお店。
映画だったら店を去ったあとにスパイ活動とかしたり人を殺したりとかするんでしょうけど、わたしはただ観劇をしただけでした…恥ずかしながら。
本当にクリームソーダのためだけに各地を回っていたので、その街を細かく見られなかったことが心残りです。まったく知らない土地を見て回るのも好きなので、もし今度また機会があれば、それも含めてクリームソーダを楽しみたいです。
今回唯一出逢ったさくらんぼ入りクリームソーダ。鮮やかな水色に赤い果実がよく映えていて感動した。
マスターさん、お客さんがいるのに普通に客席座って新聞読み始めててほっこりした。
数日経った今もいい一日だったなぁ、とすごく思います。一日を通して充実しすぎて、その日はほぼ気絶して眠りに就きました。
ずっと美しいものを見ていたから、脳が処理しきれなかったんだと思います。美しいものというのはそれだけで人を狂わせるので。
ちなみに”美しさに狂わされる”というのはオークションなどがいい例ですね。
今はどうにも息苦しい状況ですが、たまには美しいものを取り込んで心をときめかせるのもよいのではないでしょうか。もちろん節度は守って、周囲への配慮を忘れずに。
扉が開いていないだけで、美しい世界はいつでもそこにあります。
たとえばこんな風にね。
.
放課後ソーダ日和【第1話:特別な時間のはじまり】映画『少女邂逅』のアナザーストーリー 森田想×田中芽衣×蒼波純/ 羊文学【フルHD推奨】 - YouTube
わたしがクリームソーダに惹かれたきっかけの作品です。物語は全9話なので、お時間がありましたらぜひ観ていただきたいです。少女たちのひと夏の冒険のお話です。
こちらはわたしが今回お店を訪ねる際に重宝した本です。全国津々浦々のクリームソーダと純喫茶が載っているので、地元や旅先のお店を探すときの参考になるかもしれません。見ているだけで楽しくなります。
もちろんご飯もおいしいよ。